【佐原】伊能忠敬ゆかりの町を歩く【香取神宮】

X(旧Twitter)でウォーキングに関する話題を眺めてる時に「伊能忠敬はウォーキングの神様」との記述を見かけ「確かに!」と納得したものでした。

地球1周分くらい歩いてる(17年間で約3.5万km。地球1周は約4万km)となれば、長距離ウォーキングを趣味とする者としては畏敬の念しかありません。
しかも50歳を過ぎてから測量や天文学を学んで歩き始めたとの事。
今年50歳を迎えた私は、もう新しい事を始めるエネルギーも無く、今まで出来ていた事も出来なくなってきます(アクションゲームとかシューティングゲームとか(笑))
しかも、現代の50歳と江戸時代の50歳では人生における立ち位置もまったく異なるでしょうしね。

ウォーキングにしても、新しい事にチャレンジする姿勢にしても尊敬しきりです。


そこで、その生涯と偉業を学ぶため伊能忠敬記念館を訪れるべく、千葉県香取市の佐原という町へ行くことにしました。


(佐原駅前の伊能忠敬像)



数年前に伊能忠敬をテーマにした映画「大河への道」で知った程度の知識はありますが、さらに興味深い物が見られる事でしょう。





そして、佐原という土地は「北総の小江戸」と呼ばれる江戸風情の趣が残る素敵な町並みが堪能できるようで歴史好き、時代劇好きとして楽しみです。




行ったのは10月初旬。まだ暑さが残る頃。
有休取得して月曜日。
平日なら観光客も少ないだろうとの目論見です。


乗り換え案内で10時到着予定で検索してみると候補に挙がったのは軒並み9時頃の到着ばかり…。
え?なんで?
と思ってよくよく見てみると、乗り換えの接続などを含めてタイミングが悪くこのような結果になった模様。

同じ小江戸の冠をいただく川越の便利さに比べると…、なんて、ぼやいても仕方有りません。

仕事に行く日よりもはるかに早起きをして家を出ました。


日暮里から常磐線に乗り成田まで行くはずが、途中で車両が分割され行き先が変わるとのこと。
前側に座っていた私はホームに降りて後ろまで移動しなければなりません。
せっかく座れてたのに。
途中で線路にトラブルがあり10分くらい止まったりと行くだけで疲れてしまう行程でしたが、朝9時15分頃に佐原駅に到着しました。




佐原到着 


ふと見ると「0番線」ホームが!
都市伝説によくある「○○駅」のような番線でちょっとワクワク(笑)


長旅だったのでトイレに寄りたかったんだけど、ホームに見当たらず。
失礼ながらこういう地方の駅のトイレは小さくて古くさかったりするけど、トイレすら無いのか…。
と思って改札を出たら待合所のような観光案内所のスペースにとても綺麗なトイレが。
これを書くにあたって念のため駅構内図を確認したらホームにもトイレはあったみたい。
でも、絶対にこちら観光案内所のトイレがオススメだと思います。



駅からの道のり。

基本的に線路に沿って行けば大丈夫。






街の歴史のスタートが面白い。
『明治初めに発明された人力車、佐原にもあり』

「そんな物、ウチにも有りますが何か?」って考えるとジワジワくる(笑)

でも、そのあと明治25年に『佐原大火災焼失1200棟』とあるけど、よく江戸の街並みが残ったなぁ。


駅前の案内でも確認しましたが、佐原の観光におけるメインエリアは小野川という川沿いの町並み。
駅から歩いて10分ほどでたどり着きます。

着いてみるとまだ普通の現代的景色。



真っ直ぐに伸びる線路って、なぜ郷愁をそそるのでしょうか。



案内板を確認します。

ふむ、川を上流に向かって歩いて行けば良いのか。
そのまま歩いてみると、道ばたに色々とオブジェが置かれてて、次は何かと探すのも楽しい。




十二支が置かれているのかと思ったらそうでも無い様子。


縁起物が置かれていると理解しました(笑)




古い街並みには丸ポストですよね~。
この時はお祭り直前で集配スケジュールが変更になるという案内が。


平日という事と、10時前という早い時間という事もあるのか他の観光客は指折り数えられる程。
ゆっくり景色を楽しめます。







脚を伸ばして香取神宮へ 


ここで本来の目的から脱線して、3kmほど離れた所にある香取神宮へ向かいます。
関東屈指のパワースポット、こんな近くまで来て行かない手はありません。

Googleマップで道を調べれば基本的に一直線。




香取神宮まで2km手前の交差点の名前が「香取神宮入口」だったり、


歩道がほぼ無いという危ない場所もあったり、


本殿から遥か手前に鳥居があったり、


色々な街をウォーキングしている私でも、なかなかに面白いと思う道です。

この白い大きな鳥居の下には碑も。

かつてはこの辺りが境内への入り口だったのでしょうか。




かつて歩いた東京エクストリームウォーク100(千葉コース)を思い出す田園風景を観つつ歩く事50分ほどだったでしょうか。


見えてきました、香取神宮。




参道の入り口に食事処があって団子とか美味しそうだったんだけど、お昼を食べるにはまだ早く、家にお土産にするには日中の暑さの中を持ち歩く怖さもあって断念。


やはり平日、月曜日の力。ガラガラです。





参道の砂利道を踏みしめて歩く音って、心洗われますよね。





表参道を入ってすぐにある有名な要石を見に行きます。




石段を登ると見えてくるのは香取護國神社。

創建は昭和21年、明治以降の戦争で散った方々を御祭神としているとの事。
身が引き締まります。






香取護國神社の脇を抜けると要石があります。





地震を引き起こす巨大なナマズの頭を茨城の鹿島神宮が押さえ、その尻尾をこちら香取神宮が押さえている、と言う伝説の残る石。
頭を押さえている鹿島神宮は「何かを始める場所」、尻尾を押さえている香取神宮は「決意する場所」とも言い伝えられているそうです。

立て札にもありますが、念いかなう要石(おもいかなうかなめいし)
「石」は「意思」に通じる。
『意を決する』にふさわしい場所という事ですね。

ご祭神は『日本書紀』に登場する神々のひとりで、経津主大神(ふつぬしのおおかみ)という武神です。
勝負の神様という事になるので、決意を込めるには最高の場所ですね。

そういえば、徳川光圀が大きさを確かめるために7日7晩掘らせても底に辿り着けなかったという伝説も。




表参道に戻り進むと総門が見えます。




総門を抜けると煌びやかであろう楼門があるのですが、残念ながら工事中でした…。



本殿はシックで落ち着いた趣き。




水はよくあるけど、砂というのは初めて見ました。

触ってみても良いのかちょっと悩みましたが…、禁止の掲示が無いのを良いように解釈してしっかり触れてきました。




なんでこんな場所に碇が!?と思ったら香取つながりのご縁で御奉納されたようです。





三本杉も真ん中は折れてしまったのか分かりませんが、間近で見ると圧巻。





ご神木も神々しいばかりです。

一番勝負のパワー強いであろう本殿前にて、ネットでハロウィンジャンボ宝くじを購入。

2組買って3000円当たりました。
ゼロがもう2つ位欲しかったところですが…(こういう邪念がダメな原因(笑))



再び小野川へ


行った道を引き返して小野川まで戻ってきました。
観光客向けに整備された綺麗な小野川沿いよりも、昭和初期から時が止まったかのような建物が続くこちらの方がノスタルジーが…。

ふと見掛けたバスの停留所がストレートすぎた(笑)


地名も何も付いてない「裁判所」。
ちょっとジワジワきました。



そして、地方の自販機で見た事ないマニアックなドリンクを買って飲むのが好きな私。


伊藤園と言えば知らぬ者のいない超有名企業さんですが、これは都内で見た事ない…。
もの凄く美味しかったので都心でもぜひ売ってほしい。




小野川に戻ると11時半ごろだったかな。
伊能忠敬記念館に行く前に腹ごなしをしてからと思い、町並みを見ながら食事処を探します。





暖簾を見るとホテルと書いてある!!

これはお洒落だな~。


いつかここに泊まってみたいぞ。




小洒落たカフェなどはあるものの、古い町並みに似合いそうな蕎麦屋などは見当たりません。
定食っぽいメニューの掲げられたお店に入ってみました。


黒毛和牛丼。美味しかったです。



いざ、伊能忠敬記念館へ


お腹も満たされ、目的地である伊能忠敬記念館へ!!
地図の実物をこの目で見たい!


ウォーキングを始めてから、地図を見ることが趣味になりました。
知らない土地の地図を見てどんな所だろう?
何があるんだろう?
行くならどのルートだろう?
そんな想いを馳せる時間が楽しいです。
無人島に一冊だけ本を持って行けるとなったら、迷いなく地図を選びますね。
物語などでは飽きてしまうし。

話しがそれました。


そんな地図に対して思い入れもあるので、実物を楽しみにしつつ景色も楽しみます。



このふくよかなお腹が他人とは思えません(笑)


到着!!

近代的な作りかと思ったら瓦屋根になってるのは景観保護でしょうか。



路地に入ってすぐのカフェ。
伊能忠敬ゆかりのお店って…、江戸時代から続くお茶屋なのでしょうか?



さて、ワクワクが止まりません。



記念館の入り口に何やら掲示が…。



休館日……?





休館日!!!


10秒ほど意識が飛びました。


この為に来たのに…。

ガラスに映り込む私の姿も完全に気落ちしています…。

そうか、週末に多くの来館者を迎えるから、一気に人が減る月曜が休館日となるワケだ…。
一切気にしてませんでした。不覚。




伊能忠敬旧宅へ


記念館から川を挟んだすぐ前に、伊能忠敬が17歳から50歳まで過ごした家が残されています。




当時の伊能家は醸造業を中心に米穀や油商、廻船行を営んでいた佐原でも有数の商家だったとの事。
時代劇好きの私としては脳内にかつての賑わいを想像する事は容易い事です。





私の父方の実家も築150~200年は経っているであろう古民家だったので、私の幼少期の懐かしい記憶に通じるものがあります。








私が小さい頃、祖母はご飯を竈で炊いてましたね。美味しかったです。
お風呂も薪炊きだったな。
今ならお湯の質の違いも分かるだろうけど(笑)




こういう道具について記念館で学びたかったので、ここで少しでも見られて満足。








生活感はもう無くなってますが、私が将来リタイアしたらこういう邸宅で過ごしたいなぁ。






「千里の道も一歩から」ということわざもありますが、何事も一歩を踏み出さないと始まらないですからね。
良い言葉です。



敷地内に川(生活用水?)が流れてるのも良いですね。




書院も趣がありますね。
こんな場所で静かに読書してみたいものです。



記念館は残念でしたが、こちらの旧宅は非常に満足できました。





道の駅へ


のんびり過去に想いを馳せていたら、帰りの電車を考慮する時間になってしまいました。
小野川を舟で楽しめるのですが、時間の都合で断念。


次回の楽しみに取っておきましょう。


道の駅へは、地図によると小野川を下り利根川と合流する所にあるようです。



川沿いを歩くこと15分くらいだったかな。



幹線道路沿いの堤防をしばし歩くとありました!




ん?川の駅?

競合店か?

ひとまず道の駅に入ります。
土地の野菜やパンなど生鮮食料品がメインな様子。
秋の味覚である柿と栗を購入。
今夜は栗ご飯にしよう!!

隣の川の駅に行くと、こちらはお菓子などの土産物メインな様子。
家族へのお土産を購入しました。




利根川の様子を椅子に座って一望しながら帰りの電車の時刻表を見てたら、あと20分後にちょうど良い電車が!
それを逃すとかなり待ちそう…。

早歩きで佐原駅まで戻ったら5分前。
間に合って良かった…。









記念館には入れなくてガッカリだし一日中歩き続けてヘトヘトではありますが、夕飯の栗ご飯で秋の味覚を堪能できたし、良い一日でした。

今度はあのホテルに泊まりに行きたいです。

コメント

  1. 『意を決する』にふさわしい場所・・・春に向けてですかな?
    それとも、来年の秋に向けてですかな?

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    1. Junjunさんも行って来春の決意をしてください(笑)

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