【映画】「ソニック・ザ・ムービー」と「名探偵ピカチュウ」(ネタバレあり)

はじめに

おそらく40歳以下の方は知らないと思うけど、かつてセガと任天堂はバチバチのライバル関係でした。
今では任天堂のオリンピック商品に「マリオ&ソニック」と対等の立場でタイトル名になってしまうほど良好な関係です。
任天堂は世界でゲームを売るときにソニックの世界的人気を無視できないのでしょうね。
…セガ信者のひいき目ですが。


世界的スターのソニックに匹敵する世界的人気を誇るポケモンの映画が、同じような時期に公開されました。
(ソニックはCG作り直しやコロナ禍などでだいぶ遅れましたが)

そんなゲームの世界でライバル関係にあるキャラクターの映画が同じような時期に作られれば、較べてみたくなるのも仕方ありませんね(笑)



名探偵ピカチュウ

ソニック・ザ・ムービーの感想は こちらの記事 を読んでいただくとして、ここでは「名探偵ピカチュウ」を簡単にご説明します。

まず、原作は誰もが知る「ポケットモンスター」…ではなく、派生先品の「名探偵ピカチュウ」というゲームです。

ポケモンについては、第1作が世に出た時にはすでに社会人だったので遊んでは居ないのですが、甥っ子が保育園の頃にポケモンに夢中になり、WiiやSwitchで一緒に遊んだのである程度は覚えました。
余談ですが、甥っ子は全ポケモンが載っている図鑑でカタカナを覚えました。教育にも良いポケモン(笑)
残念ながらゲームの名探偵ピカチュウは遊んでないのですが、 ゲームの公式HP で紹介動画を観る限り原作と映画は近いものな感じがします。






あらすじ
かつてポケモンのことが大好きな少年だったティム(ジャスティス・スミス)は、ポケモンに関わる事件の捜査へ向かったきり、家に戻らなかった父親・ハリーとポケモンを、遠ざけるようになってしまった。
それから年月が経ち、大人になったティムのもとにある日、ハリーと同僚だったというヨシダ警部補(渡辺謙)から電話がかかってくる。
「お父さんが事故で亡くなった―」。複雑な思いを胸に残したまま、ティムは人間とポケモンが共存する街・ライムシティへと向かう。
荷物を整理するため、ハリーの部屋へと向かったティムが出会ったのは、自分にしか聞こえない人間の言葉を話す、名探偵ピカチュウ(ライアン・レイノルズ)だった。
かつてハリーの相棒だったという名探偵ピカチュウは、事故の衝撃で記憶を失っていたが、一つだけ確信をもっていることがあった……。
「ハリーはまだ生きている」。ハリーは何故、姿を消したのか? ライムシティで起こる事件の謎とは? ふたりの新コンビが今、大事件に立ち向かう!(公式HPより)

なお、この記事では名探偵ピカチュウについての感想ではなく、あくまでもソニックと対比して感じた事となります。



同じように思えても…

どちらも日本が世界に誇るゲームが原作、主役キャラはCG、人間の相棒と冒険を共にする。
こうして見てみると完全に似たような映画に思えますね。

でも、物語の構造自体に根本的な違いがあるんです。

「あるんです」なんて断言口調ですが、通販番組のようにあくまでも「個人の感想」ですので(笑)



・ソニックは子供向け、ピカチュウは大人向け

こう書くと意外に思う方ばかりではないでしょうか。
ゲーム自体のユーザー層としてはポケモンは低年齢から、ソニックはある程度高学年から、という私のイメージはあながち間違いではないと思います。
ウチの甥っ子が私のSwitchに入っているソニックを見つけて初めてプレイしたのが小2の時。
めまぐるしいスピードが楽しくて仕方ない様子だったけど、やっぱりちょっとしたトラップとかギミックなどは難しい感じでした。


ところが、面白い事に映画版ではこの対象としている年齢層が逆転しています。
ソニックは子供向け、ピカチュウは大人向け。

ソニック・ザ・ムービーの物語はソニック目線で進むのに対し、名探偵ピカチュウは青年ティムの目線で話しが進みます。
子供達はソニックに対しては自分たちの友人のように共感して没入しやすいですが、ティムは自分たちのお兄さんが頑張ってるお話しとして物語の傍観者となってしまいます。

それは物語の根幹が、ソニックは「ソニック自身の秘密の力を悪の科学者に狙われる」というシンプルなストーリーであるのに対し、ピカチュウは「青年ティムの父親との確執と和解」というものだからです。
さらに、子供達が大好きなポケモンバトルもほとんどありませんし。
ただ、人間とポケモンが自然と共存してるライムシティの様子は夢があって楽しいでしょうね、きっと。


・ラストシーンにも…

ソニックのラストは友人となったトムが結局地元に残ることになり、しかもトムの家の部屋をプレゼントしてもらいます。
友人、家族、部屋。長年欲しくても永遠に手に入らないと思っていたであろうものが手に入った明るく希望に満ちあふれた終わり方です。

一方の名探偵ピカチュウは、ずっと軽口を叩き合って共に困難を乗り越えた相棒であるピカチュウと話せなくなってしまいます。
「父親との和解」を手に入れた代わりに、「ピカチュウとの意思疎通」を失いました。
ティムの中での優先順位の1位が父親で2位がピカチュウになってしまった訳です。
ソニックとは違って切なさがピリリと辛いアクセントとして残る終わり方ですね。

これは単なる私の妄想ですが、小中学校の時にポケモンを夢中で遊んでいた子供達が高校生になったら「あれは子供の遊びだから」と離れていってしまうという、「大人になること」で得られるもの、失うものを表しているのではないでしょうかね。


・やっぱりゲーム原作のEDはどちらも同じ!こうでなきゃ!

同じように子供達に大人気なゲームが原作でも、作品としての方向性は全然違うと思いますよ、とここまで語ってきましたが、同じで嬉しかった事もあります!

そう、エンディングです!

ドット絵のキャラクターが登場ですね。
ソニックは映画のストーリーに沿った場面を演じてくれたりしてて、このドット絵でゲーム出してくれても良いのに、と思う良い出来でした。
DVDで観る日が待ち遠しいです。

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