【お城巡り】忍城 ~『のぼうの城』の舞台~ 石田三成編

忍城散策の記録も併せてお読みください ⇒ 前編 / 後編


後編にて守る側のお城についての散策は完結しましたが、攻める側からもお城を見てみましょう。

という訳で、石田三成が見た景色を見てみようと本陣が張られた場所まで歩いてみます。

直線で約3km程。道なりで行くと4km程でしょうか。


お堀が整備された水城公園


当時お堀だった場所が、公園として整備されています。








天気の良い日にボーッとくつろぐには最高のロケーションです。
近所にこんな場所があったらなぁ…。

池の周囲には、釣りを楽しむ人が大勢居ます。
後ろを通るときに覗き見してみると、なかなかに釣果がある様子。



手前を優雅に泳ぐ一群が。







鳥たちにとっても楽園でしょうね、この公園は。


ただ、公園としては素敵な場所なのですが、お堀の名残を見出すことは難しかったので先へ進みます。




攻城戦の戦死者を弔う高源寺


映画「のぼうの城」では佐藤浩市が演じた正木丹波守利英



城主である成田家に仕える家老で、武勇が群を抜く者しか許されない「皆朱の槍」を持つ剛の人でありながら、部下や農民をなだめたりまとめたり、自由奔放なのぼう様に手を焼く中間管理職のような苦労人でもあります。
映画では非常に人間味豊かに描かれています。

戦後に武士の身分を捨て、敵味方関係なく戦死者を弔う為にお寺を建立しました。
自身が守った「佐間口」のすぐ側です。




攻城戦の戦没者を慰霊する碑が。




ご本尊への参拝は場所がよく分からずできませんでしたが、丹波守のお墓参りはできました。


墓石も綺麗な者では無く荒々しいものでした。何か謂れがあるのでしょうか。
豪勇で鳴らした人だけあって、お墓からは荘厳さだけでなく威圧感すらも感じます。

歴史上の偉人のお墓はたいてい、経歴や偉業など「記録上の人物」としてお参りしますが、映画を観てからだと(佐藤浩市でイメージされますが)血肉を伴った具体的な人物像が思い浮かぶので、単なる歴史上の偉人のお墓参りではない感傷がありました。




太古のロマンも感じられる古墳群へ


ここから目指すはさきたま古墳群
先ほど博物館で勉強したばかりです。






広い!
とにかく広いです!!
子供が居たら思い切り走り回れて良い環境だなー、と思います。
まぁ、独身なのでそんな感想は意味無いですが。




これも見たかった「石田堤」がここで見られるとは一石二鳥!


この丸墓山古墳に石田三成は本陣を構えました。

忍城の本丸跡地にある現在の御三階櫓まで4km程度と考えると現代の自動車なら十数分、馬の脚でも大差ないでしょう。
さらに当時のお城面積は今よりも遙かに広かったため、正に目と鼻の先に陣を張ったという事が実感できます。



石田三成が本陣を置いた丸墓山古墳へ向かう


「石田堤」とはココらしいけど…。



どうにも堤という気がしないな…。
想像力が足りないのか?

気を取り直して、古墳の頂上を目指します。


古墳の方向から戻ってこられる車椅子の方とすれ違ったんだけど、頂上までは行けたのだろうか…。
足腰が弱い高齢の方とかは厳しい階段だな…。
まぁ、古代にバリアフリーなんて求めても仕方ないんだけど(笑)


日本最大の円墳にして高さは19mとの事。
この南道はやっぱり堤で間違いないのか。

振り返ってみればそこそこの高さ。

頂上は特に墳墓の様相を感じられるものはありません。



ここから忍城はどう見えるのでしょう?


肉眼だと、結構ハッキリ見えました。


徐々に寄っていきましょう。



現代では「水に浮かぶ城」ではなく、「民家に浮かぶ城」という風情ですね。






どうです?
やっぱり近いですね!

それでは比べてみましょう。
2万対5百という、小細工を弄せずとも物量の差で粉砕できる兵数を任されているにもかかわらず、関白から水攻めを指示された三成の心境はどのようなものだったのでしょうか。
高揚していたのか、力攻めできずに忸怩たる想いをしていたのか…。


画像検索で出てきた見やすい図を拝借。

北側の利根川の水量が期待ほどではなかったようですね。

帰りがけに反対側を見てみると、これも立派な前方後円墳が見えました。



見上げれば凄い雲。




汗を流して帰宅の途へ


古墳のすぐ側に温泉がありました。
外観はバブル期の薫りがするような…。



浴場自体は落ち着いた作りで壺湯に入ったらちょっと温めのお湯が心地よくて意識を失いそうでした(笑)
露天の大きな湯船にはテレビが設置されてて、うるさかったのがちょっと…。
せっかくだから静かな露天を楽しみたいのに。

そして、また行田市駅まで4kmほど歩かねばなりません。温泉で身も心も緩みきってしまったのに(笑)
お土産を調達しながら帰る事とします。

事前に調べて買おうと思っていた「足袋のマラソンシューズ」を売ってるお店に寄りたいので、地図を見ながらせっせと歩きます。

こういうやつ。


ただ、住所の場所に行ってみると工場でした。
売店が併設されてるのかもしれないけど、誰も人が居ないので訊けません。
無人の工場に入っていってトラブルになるのも嫌だったのでこれは諦め…。
また行く事があれば。

そしてやはり外せない地酒。
忍城を題材とした「浮城」という銘柄を買います。

重たくなるから極力駅に近いところで買おうと酒屋を検索して向かいます。


そうしたら何と!
事前の調査では立ち寄りを考慮しつつもルートから離れていたので諦めていた行田八幡宮が目の前に!!
酒屋を目指して曲がった道の先にあるとは、これもご縁かな。


歴代城主からの信仰も篤く、また宮司は成田家家臣の13代目にあたるという事。一子相伝で世襲されているようです。
お参りできて良かった。



そして、酒屋さんは商店街の昔ながらの店構え。
人当たりの良いご店主に地酒の事を教えていただきつつ、行田市駅ではなくすぐ側にあるバス停で吹上駅に行く方が良いよ、と親切にアドバイスまでいただき、本当に良いお店でした。
勝手に名前を出すとご迷惑がかかるかしら。
行田八幡神社から少し北上した所にあるお店です。



なお、後乗りバスの乗り方が分からなくて、機械から出てきた乗車チケットを取りつつSUICAを当てる、というどっちかで良い事をやらかしてました。
そして降りる時の支払い方法も分からず、駅に着くまでせっせとバスの乗り方を検索(笑)
どうやら乗るときと降りるときにSUICAを当てれば良いらしい。
いやぁ、不安だった(笑)



旅の最後は吹上駅前にあった十万石まんじゅうにて、母親用のお土産にお菓子の詰め合わせを買って締めくくりました。


充実した一日でした。




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