【お城巡り】忍城 ~『のぼうの城』の舞台~ 後編

ぜひ 散策の前半 からお読みください。


いよいよ本丸、行田市郷土博物館へ


行田市郷土博物館に入館します。
ご年配の方5人ほどのグループが出てくるのとすれ違いました。



入り口を入ってすぐ右に『続日本100名城』のスタンプ台があります。


スタンプの押し方が下手…?



続日本100名城というのは「公益財団法人 日本城郭協会」という協会が制定したものです。



「続」と言ってもいわゆる「101位~200位」という順位ではなく、最初の「100名城」が各地域ごとや時代ごと城の構造ごとと言ったバランスを考慮のうえ選定された為に選から漏れただけの事で、いずれ劣らぬ名城である事に変わりは有りません。

こちらの本にはスタンプ帳が付いているので、コレクター気質の私はどんどん埋めたくなります。






入館に際しては、コロナ禍のご時世ですので対策がしっかりされています。

距離を保つように床に立ち位置の目印が貼られ、検温と代表者の氏名と電話番号、入館時刻の記入が必要です。
入館料を支払い中へ入ると展示物が並んでいますが、動画で説明してくれるモニターは真っ黒。
人が立ち止まって密になる事を避ける措置ですが、こういう動画こそ勉強になるので残念です。

私が居た時刻は平日の午前中という事もあり、歴史愛好家の仲間と思われるご年配の男性2人組、老夫婦、後ろからアラフォーくらいに見えるご夫婦だけ。

独り孤独なのは私だけでした…。
やはりこういう物はアレコレ語り合いながら見たいものです。
どなたかお城巡りに興味のある方、ご一緒しませんか~?



展示物見学


館内は撮影禁止なので残念ながら写真はありません。
文字だけで読みにくいかもしれませんが、なんとか簡潔にまとめます。


展示内容は忍城の再現模型、古文書、甲冑や刀などを解説付きで見る事ができます。
他にはTBSドラマ「陸王」でも扱われた「足袋」の歴史資料、日本最大級の古墳群に関する歴史や出土品の展示など。
巨大な馬の埴輪なんて、当時の技術でどうやって作ったのやら驚愕です。

しかし、石田三成が本陣を置いたのはまさにその古墳の上。
水攻めのための堤防作りの際にも数多くの古墳や出土品が破壊されてしまったであろう事は容易に想像できます。
貴重な資料となるものがあったかもしれませんね…。


博物館から御三階櫓へは渡り廊下が繋がっています。
エレベーターは無く階段のみ。再建された当時はまだバリアフリーという考えも一般的では無かったのでしょう。
同じタイミングで回っている老夫婦はどちらも杖をついて歩かれているので、この階段の上り下りは大変そうです。

櫓の内部も展示が続いています。
江戸時代以降の歴史、明治期の街の発展、と階ごとに時代が分かれており、最上階は昭和の戦争時の貴重な史料が並んでいます。

古代から中世、近代と時代によっての変遷を辿れる分かりやすい展示でした。


最上階は展望台のはずなのですが、窓の格子から見える隙間が細く、見晴らしはイマイチでした…。

この窓の前の白い3本柱が邪魔をする…。

ここまでは常設展示で、最後に企画展示が。


今は松平家に焦点を当てた企画でした。




さて、順路を回って入り口に戻ってきたらいよいよ!
受付でアレをいただきましょう。

そう、アレです!






「お城の御朱印」とも言える御城印です。

御朱印はその昔、写経を奉納した証としてお寺よりいただいた証明書(受付印)を指していました。
そのため、お寺とご本尊の名前をお坊様や神社では神職の方に墨書きをいただき、神仏とのご縁ができた、という心の拠り所とする宗教的な信心の証でした。
現代ではもうその意味は失われているようですが。

御城印は「登城証明書」ですので、あくまでも記念品です。
当然、その場で書くという必要性はなく印刷された物になります。
ただし、印刷された物だからこそ様々に凝ったデザインが作れるという事にもなります。
収集意欲を高めるよくできた仕組みです(笑)

その始まりは1990年頃の松本城(長野県)と言われており、始まった経緯は今はもう分からないとの事。
それが御朱印ブームにあやかる形で広まったようですね。
観光地によく置かれている記念スタンプの豪華版といった所でしょうか。


実は去年の夏休みに小田原城に行った時はこの存在を知らなかったので、せっかく行ったのに小田原城の物を持っておりません…。
また貰いに行かなければ(いいカモ(笑))



地元グルメを堪能する


さて、博物館を後にしたら時刻は12時半、お昼時です。

旅行の楽しみの1つは地元グルメ。
埼玉県行田市で有名なのは「ゼリーフライ」という物。

「ゼリー」と言っても、寒天にみかんが入ってるようなプルプルの物ではありません。

コレです。

衣を付けずに揚げたコロッケ、という説明が分かりやすいでしょうか。
お店の説明によると「おからにジャガイモ・人参・刻み長葱を混ぜ、植物油で素揚げにしたもの」という事です。

なぜ「ゼリー」なのかというと、この揚げた形が「小判」のようだったので、小判→銭→ゼニフライ→ゼリーフライと転じたそうです。
発祥はハッキリ分かっていて、日露戦争に従軍した茶屋を営むご主人が考案されたとのこと。


割ってみました。

普通のコロッケのホクホクしたジャガイモとは違う食感で、粘り気がかなり強い。
味付けはソースです。

このソースがかなりしょっぱくて主張が強いんだけど、ジャガイモ部分とうまく混ざることで絶妙な美味しさに変わります。
私は白いご飯のおかずにしたい…。


もう一品は「ふらい焼きそば 卵入り(大)



こちらもお店の説明は「小麦粉を水で溶き鉄板の上で豚肉やねぎを入れて薄く焼き、ソースなどで食べる薄めのお好み焼きのような食べ物」。



皮の部分を割ってみました。

オム焼きそばというよりは広島風お好み焼き(と書くと広島県民の方に怒られる?)っぽい感じでしょうか。

こちらも味付けはしょっぱめのソース。
焼きそばとセットで食べる事で味のバランスが完成します。

ただ、お味は素晴らしいものの大を選んだのは失敗だった…。
歳とって食が細くなってきているので、このかなりなボリュームはだいぶ苦しくなりました。
この後かなり歩く予定だからそこでカロリー相殺してくれる事を願って(笑)



青空の下で見学


食べ終えて外に出ると青空が出て太陽の光が射しています。
天気はずっと悪いと思ってたから嬉しい限り。

いったん戻って青空に映えてる櫓を目に焼き付けましょう。






今も衝かれてるのかしら。










角度を変えてお堀と一緒に。


天下の水城のお堀がこの穏やかさ、まさに平和の象徴(笑)










お堀の水は澄み切って透明でした。





おまけ


忍城前のバス停がとても可愛かったです。





今回は映画を観ていた事もあり思い入れも深い場所でした。
今はもう周辺に街が広がっていて「水の都」というイメージを感じ取る事は難しいけど、
御三階櫓のすぐ横は中学校で、子供達の賑やかな声が聞こえてきます。
映画のイメージからですが、当時も村の子供達が賑やかに遊んでいる声が城内にも響いていたのかもしれないな、なんて想いを馳せていました。





コメント