東京まで83km。
こういう看板が言う「東京」って、日本橋の事?
まぁ、日本橋以外のどこであったとしても83kmとなると誤差の範疇(笑)
相当遠い事に変わりなし。
この辺りは今までの小田原エリアとは景色が変わってきます。
吉田茂邸を始め、歴史上の偉人の方々の邸宅がたくさんあるようです。
東海道松並木の入り口がここかな?
東海道五十三次の大磯宿にも松並木が描かれてますね。
この時から残っている松の木はあるのでしょうか?
そういえば、この辺りだったかな?
信号待ちしてる時に車道からスクーターに乗ったおば様に「何人くらい出てるの?」と訊かれ、「2千人ほどみたいですよ」と言おうとしたのに、何故か口から「2万人ほどみたいですよ」と出てきました…。
普段出てるマラソン大会の規模がそれくらいだからなのか、脳に酸素が届いていなかったのか、原因は分かりませんが、これだけは言えます。
悪気はなかったんです…。
ついウッカリ間違えてしまっただけなのです…。
おば様、ゴメンナサイ。
無駄な体力を使ってしまった…。
そんな凹んだ気分も途中で海が見えてテンションが上がります!
西湘バイパスに合流します。
江の島。茅ヶ崎。
説明を読んでみたら違ったようです…。
ジョーズの背びれみたいな岩がある!!と、サメ映画好きの私はテンションが上がっていましたが、どうやら有名な『えぼし岩』らしいです…。
これが目印となって、前の方に進んでしまった人達が歩いてる状況が垣間見えます。
このままパァーっと気分よく海が開けるのかな!?と期待したんだけど、海はまだまだ先な事をこの時は気付いてませんでした…。
向こうに見えてるのが西湘バイパスかな?
歩いてる道路のすぐ左手側は高台にマンションが建っていて、オーシャンビューの絶景で朝が始まるような素敵な立地。ブルジョアで羨ましすぎる…。
私も在宅でできる仕事ならこういう所に住むのになぁ…。
もう少し行けば大磯駅!
10数年前に大磯プリンスホテルがスタート・ゴールの湘南国際マラソンに何度か出場しました。
ちょうど着てるシャツも完走Tシャツです。
もう少し行ったらその時の懐かしい景色が見られるかも。
この地名だけでサザンの名曲が脳内再生されますね。
いよいよ平塚宿です。
田んぼの中の畦道が描かれています。
飛脚がいますね。
彼らは自分が苦労しているこの距離もスイスイ行っていたんだろうなぁ…。
尊敬する職業No1です。
11km~20kmも常に時計を気にしていたのでほぼ予定通り。
12kmはちょっと立ち止まってリュックからゼリー飲料を取り出したロスタイムですね。
暑さのせいか、思った以上にエネルギーを消耗してると感じたようです。
20km地点は12:10予定で、実際には12:11通過とココも上出来な記録でした。
21km~30km
待ちに待ったチェックポイントが目前です。
湘南ひらつかビーチで、いよいよ水平線とご対面!
視界が開けると気持ちも気分良く開放的になります。
チェックポイントが近づくと高校生ボランティアなのか、スタッフさんが手書きのメッセージボードをかかげて応援してくれます。
こういうのは本当に力になります。ありがとう!
チェックポイントではゼッケンのバーコードをスキャンしてもらいます。
このスキャンをしてもらわないと正式な記録として認められないので重要です。
そして、それなりに疲労困憊だったのか写真を撮り忘れました(^-^;
補給食をいただきましたが、写真撮る前にかぶりついてしまいました。
カレーパンも美味しく戴いた後に気がつく有様(笑)
ここでは水のペットボトルとカレーパン、小田原みかんを貰いました。
とにかくみかんが美味しい!
マラソンの時はエイドステーションにオレンジが置いてある事が多くてその糖分と水分が身体に染み渡ってエネルギーになります。
このチェックポイントに来るまでに八百屋さんが有って軒先にみかんが見えたのでつい買ってしまいそうになりましたが、我慢して良かった…。
ひとまず芝生の上に座り込み、先人達の教えを守り靴を脱ぎ脚の圧迫を解消させます。
ここでの休憩は10分と決めていましたが、一度座ってゆっくりしてしまうとなかなか動き出すのが億劫になりますね。
マラソンではこんなにゆっくり休憩した事はありませんし、立ち止まって屈伸したりする程度です。
100kmウォークは時間の使い方も大事な要素ですね。
来た道を引き返して国道まで戻ります。
砂が厚く積もってる所はかなり歩きにくい…。湘南大橋で相模川を渡ります。
大きい!広い!
ドライブで渡ったら気持ちよさそうだな~。
このMOINカメラというのは広角がかなり広くて、こういう雄大な景色を撮るのに向いてます。
湘南大橋を越えたら、いよいよ海岸線エリアに入ります。
最初は凄い気分いいんです、最初は。
海沿いで波の音を聞きながら歩くのは気分いいんです。最初は。
しばらく行くとモニュメントが。
サザンビーチと書いてあるので、サザンオールスターズの曲にちなんだ何かかと思い写真を撮ります。
一緒に立つ相手の居ない独身男には縁の無い縁結びの輪でした
ここで一つ超重要なアドバイスを!!
他を読み飛ばして良いのでここだけは読んでください!!
このCモニュメントのすぐ脇に自動販売機が3台並んでいます。
手元にドリンクが有っても、必ずココで一本買ってください!
ここから先32km付近で内陸に戻るまで、コンビニは勿論のこと自動販売機も有りません!
ドリンクが切れたらこの炎天下の時間帯、水分補給が出来ません。
海水浴場だから自販機くらいあるんじゃね?と軽く考えていた自分を呪いました。
途中で何カ所かトイレは有るんです。そこに自販機を設置しておいてほしかった…。
仕方なくリュックからゼリー飲料を取り出しますが、陽で温まっていて非常にぬるくて不味いです。
エネルギー補給にはなりましたが、水分補給にはなりませんでした。
景色の良い海岸沿いも、5kmも過ぎれば「早く終わってくれ…」と願うばかり。
脱水症状なのかもう前へ進むのが大変になってきました。
※こんなに騒いでおいて、私が見落としてただけだったらゴメンナサイ。
遠くに見えるのが江の島?
この10kmの記録。
第1チェックポイントの後は元気が出たのか、予定通り1km12分ペースでまとめる事ができました。
30km到達予定時刻は14:18でしたが、14:24とちょっと遅れました。休みすぎたかな?
31km~40km
ミイラのように干からびながら歩いてきた海沿い遊歩道もいよいよ終わりの時を迎えます。
さまよい歩いた砂漠で遭遇するオアシスのように、自動販売機がキラキラ輝いて見えてきました。
蜃気楼ではありません。
自販機横に置かれたペットボトル回収のゴミ箱は溢れ周囲には100本くらいはあったかな、空のペットボトルが林立してます。
私と同じ思いをした方が多く立ち寄った証拠です。
この大会の事を知らないメーカーの方が商品補充とペットボトル回収に来たら驚愕すること間違いないですね。
ほぼ売り切れてて残っていたフルーツティーを購入。
乾いたスポンジが水をグングン吸うように、ジョジョ風に言えば身体の中を波紋が広がるのが分かるように、全身に水分が行き渡るのが認識できます。
人間、極限状態になると身体のセンサーが鋭敏化するのでしょうか。
本当なら汗で失われた塩分を摂取しないとならないのですが、糖分の魔力に囚われてしまい、ここから先で購入した飲み物は果汁など甘い物ばかりになってしまいました。
書きながら思ったのですが、塩分を補給しなかった事が後半苦しんだ要因だったかもしれません…。
ひとまず体力は戻ったので次のチェックポイントを目指します。
ビーチをバーベキューしたりビーチバレーしたりと楽しげな人達を横目に歩きます。
江の島水族館の裏側を歩くとイルカショーをやってる雰囲気が。楽しそう。
あの遠くに霞んで見えていた場所までたどり着きました。
江の島水族館を越えた所にある公園が第2チェックポイント。
34kmの部の人達のゴールでもあります。
(もはやチェックポイントは一息つくのを優先で写真撮るのを忘れています…)
ゴールテープを切って祝福を受けている人達を横目にバーコードをチェックしてもらい、給食をもらいます。
身体が求めてやまない果汁!
オレンジ、ぶどう、リンゴの中から選びます。
悩ましい…。
おにぎりは梅、鮭、ツナマヨ、お赤飯だったかな。
私は無類のお赤飯好きなんですが、あるのに気付かず手前でツナマヨを取ってしまったため断念しました。
食べ物を一度手に取って戻すような厚顔無恥な真似はできません。
ちょっと残念に思うだけです(笑)
餅米なら腹持ちもいいだろうな、という思いもあっただけになおさらでした。
あとはお菓子を何種類かの中から一つ。
朝6時にホテルでおにぎりとサンドイッチを一つずつ食べて以降はカレーパン一つしか口にしてません。
お腹が空いてるはずなのに、疲労が勝ってるのか食欲がわかない…。
とは言え、エネルギー補給しなければこの先進めないので、先ほど購入したフルーツティーでツナマヨおにぎりを流し込みます。
非常にイマイチな取り合わせでした(笑)
また別途持ち物についての記事を書く予定ですが、このような目の周りを拭く洗浄綿を持っていっていました。
海岸沿いを10kmも歩いてくると身体のみならず顔も砂まみれです。
指でゴシゴシ払おうとすると目に入ったり皮膚を傷つけたりするので、こういった物で優しく拭き取る事にしました。
洗浄液に浸っているので、サッパリ効果もあります。
次回参加される方はぜひご検討ください。
ここでも予定通りの滞在時間で出発します。
この周辺は10年くらい前かなぁ、一度来たことがあるだけですが、よく覚えていて懐かしさを感じながら歩けました。
フルーツティーは飲み終わっていたので、信号待ちのすぐ脇にあるコンビニに入り次を購入。
すぐにコンビニがあるというこの便利さ、文明というのは素晴らしいものです。
そして、ここでもやってしまいました。
果汁たっぷりオレンジジュースです。
時間を遡れるなら、自分を殴りつけてでも塩分補給できるようなスポーツドリンクにさせるのに…。
でも、この時の私はオレンジジュースを持ってご満悦でした(笑)
しばらく歩いてると、江ノ電が走ってるのが見えました。
これは写真に撮りたい!と願っても次が通るまで待つわけにもいきません。
とりあえず線路だけ撮って我慢。
ここから北上していきます。
境川橋でちょうど沈みゆく夕陽がキレイ。
この先は薄暗くなった住宅街をひたすら歩くだけで、精神的にも暗くなっていきます。
私のすぐ後ろを同じ速度で歩いてる女性2人が元気にお喋りしてるのを聞かされ続けて「うるさいなぁ」とだいぶイライラしてました。
空が暗くなるに従って自分の気持ちも暗くなってしまいました…。
藤沢駅周辺に来た頃にはビル群になっててまた様相が変わりました。
ちょうど帰宅時間帯で人も多くなってましたね。
藤沢宿の奥に描かれているのが遊行寺。
手前の鳥居は江ノ島弁天の一の鳥居との事。
信仰の土地でもあったのですね。
40km地点で20分程度遅れました。
ここからズルズル後退は避けたいところ…。
41km~50km
藤沢駅を越えるとすぐにやってくるのが、遊行寺の坂。
箱根駅伝の中継でよく聞く名前なので、「テレビにも映る有名な坂なんだから、写真いっぱい撮ろうかな」なんて、実は楽しみにしてました。
していたのですが…、そんな甘っちょろいものではありませんでした…。
もう入り口で心が折れます。
ここに辿り着くまで、前の人達のスピードに合わせて歩いていたのです。
なぜなら道に迷いたくないから。
「この人達についていかないと道に迷ったら困る」という強迫観念です。
ただ、その強い気持ちも空しく、ドンドン離されていきます。
上り坂でついて行こうと速度を上げたので心肺がキツくなってきます。
今調べてみたら約800メートルで標高差約30メートルとの事。
Googleストリートビューで坂を上ってみたけど、前に進む矢印を35回ほど押さないと登り切らなかったぞ…。
とてもじゃないけど辛すぎる。
箱根駅伝の選手はどういう身体をしているんだ、いったい…。
何とか坂を上りきったらもう辺りは闇に包まれていました。
真っ暗です。
街灯も少ない、車のライトが頼り、という暗さ。
坂を上るので死にそうになってるのと、暗くなってきたことから、この辺から写真を撮るのをやめてしまいました…。
持ってきたヘッドライトを取り出すべきなんだけど、ギリギリ見えてるし、立ち止まってリュックを開ける体力も惜しいし、という事でひとまず進みます。
坂を上って間もなくの所に有る団地の建物のように見える市営住宅の前、街路樹の根がコンクリを割っていたりと足下がデンジャラス。
遊行寺の坂で高ダメージを負った脚には辛すぎます。
このエリアの特徴としては、車道が低く住宅が数段高い場所にあるので、歩道もアップダウンが多いです。
住宅から車道に車を出すために斜面に対して直角に歩く場面も多々あります。
ここまで来ての脚には過酷!
この辺りで気がついたんだけど、前を歩いてる人達の背中がチカチカしてます。
何だろう…、と思ったら!
スタートの時に貰った反射板!!
これ、反射板だと思ってたら違ったんだ!!
常時点灯と2段階の明滅速度でチカチカ光る代物でした!!
凄い安心感。
でも、どうやって点灯させるのか分からず、自分のを光らせられるのは次のチェックポイントでスタッフさんに教えてもらってからとなりました。
そうこうしてる内にフルマラソンの距離を超えて、自分としての未知の領域に突入しました。
この辺になると、脚の痛みとの戦いです。
私の場合、足首から下が痺れた状態になっています。
長く正座をした後のような痺れですね。
それが着地の衝撃で波紋のように広がり、かなり精神を削られます。
戸塚のラウンドワンの手前にある広い駐車場で立ち止まり、エアーサロンパスを脚に振りまいて何とか誤魔化します。
ついでにヘッドライトも取り出しました。
家電量販店で購入した際は「明るさが強い方がいいよな」という事で選んだんですが、なんか凄い強すぎたみたいです(笑)
他の人は自分の足下が薄ぼんやり光る程度なのに、私のヘッドライトは横に3人分くらいの広さで照らします。
スイッチを入れた瞬間に前を歩いていた人が「後ろから車が来た」と勘違いして横に避けたほど(笑)
前を歩く方々の足下を照らして歩く事となりました(笑)
そうして典型的な田舎の幹線道路を歩きます(田舎なんて言ったら怒られちゃうかもだけど)
青看板の行き先表示に五反田が登場して「あぁ、東京に近づいた」と妙な感慨にふけりました。
この辺りから脚を引きずってる人、コンビニ前で座り込んでグッタリしてる人が増えてきた気がします。
やっぱり50kmに近づく辺りが最初の大きな壁なのでしょうか…。
私も足首から下の痛みに耐えかねてリタイアも頭をよぎります。
距離的には40km台の後半、時間的には18時過ぎくらいかな。
残り50数km、14時間程度。
先の長さにちょっとクラクラします。
戸塚駅が近づいてくると、路線バスが増えるのですが、何本来ても行き先が「ドリームハイツ」になってます。
来るバス来るバスすべてドリームハイツ行き。
なんなんだ、夢の住処なのか?
もうすべて投げ出して乗り込みたいぞ!
後から調べたら大型団地のようでしたが、歩いて朦朧としている私には夢の世界へのバスのようでした(笑)
ちょうど50kmくらいにあたる戸塚駅。
急に明るく近代的な建物ばかりになります。
ここに来て何が辛いって…、歩道橋の階段を上るのが辛かった…。
戸塚宿は、朝に江戸を発った旅人がちょうど夕方辿り着くほどの丁度良い距離にある宿場だったようです。
石標には「左りかまくら道」とあり、鎌倉へ抜ける鎌倉道と東海道の分岐点としても重要な場所だったのですね。
42kmが立ち止まった地点かな?
後半にかけては1km12分前後でまとめてるように見えて、波が結構ありますね…。
精神が勝ってる時と負けてる時の波かもしれません…。
長くなってきたので、その2もここまで!
最初はこの記事でゴールまで書こうと思ってたのに、思い出した事をダラダラと徒然なるままに書いていたら50kmまでしか届きませんでした…。
もう少しまとまった文章書けよ!という感じですね。申し訳ありません。
体験記その3 です!
前半の風光明媚な写真盛りだくさんテキストに比べ、後半の写真の少なさからも既に余裕が失われていた事が読み取れました。これでまだ50kmて、折り返し地点で既に満身創痍じゃないですか・・・
返信削除次回以降の参加希望読者の意欲を刈り取るようなところで執筆中断しないでクダサイ!!(笑)
その3での大団円ハッピーエンドを期待して待ってまーす。
道中で何があったか思い出しながら書くのも大変で満身創痍(笑)
削除未経験の人が出てみたくなるような、初挑戦する人がどんな様子なのか知れるような記事を目指しております!
どんな物語もハッピーエンドまでに苦難を乗り越える展開がありますしね(笑)
Junjunさんも来年出場してくださいね!